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死帳別世界*Lmaki


 year





「うわぁ、もう夏だねー」


リビングからバルコニーへと繋るガラス戸を開けると、もぁっとした熱気が部屋に入込んだ。


「今日も夏日だそうですよ」

角砂糖を一つひとつ、ゆっくりと紅茶に落としながらLが言った。
「なんか春がいつの間にか終わっちゃってたんだね」
ビルから見える桜の木は既に花なくて、小さな緑の葉っぱが芽吹いてる。


「もうすぐなんだね・・・」


私はバルコニーへと足を一歩伸ばした。
太陽の熱でコンクリートが熱かったけど、それでも私はゆっくりと歩き出した。

見上げると、キラキラ輝く太陽。
真っ青な空。
少し違うのは雲の形。



あの日がもうすぐやってくる・・・



手摺を掴んだ手に力が入る。
今でも時々フラッシュバックで甦るあの瞬間。
叫ぶ九条さん。
響き渡る銃声。
そして―――



大好きなお父さんが・・・





「真希さん」
「っ!?」

突然後から声を掛けられ、私はビクリと体を震わせた。

あまりにも強い陽射しに此所が何処なのか、今がいつなのか、わからなくなっていた。

「L・・・」

振り返ると、太陽の光を眩しそうに目を細めたLが立っていた。
私は手を伸ばし、Lの白いだぼだぼのシャツを掴んだ。
そしてそのままLの胸へと飛び込んだ。

「真希さん、どうしましたか?」

Lの質問に私は答えず、ただ頭を横に振った。


暫くするとLは私をそっと抱きしめた。


Lの少し低い体温が、心地いい。
Lの甘い匂いが落ち着く。


あの日、私を救ってくれたのは紛れもなくLだった。
此所にこうして居られるのはLのおかげ。



「L、ありがとう・・・」




もうすぐ1年。
悲しい日から1年。

Lと出会って1年目――――――


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