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n0783sea.jpg 離島医師*コト彩


 離れていても…



素材*http://www.atelier-sud-est.com

トゥルルルル…

トゥルルルル…



『はい、志木那島診療所です』

数回のコール音が切れ、受話器から聞き慣れた声。

「先生、わたし・・・彩佳です」
『彩佳さん、今帰り? おつかれさま』
「ただいまです、先生」

一週間の研修の為に本土へ渡ったのが6日前。
初日は無事に研修先の病院に着きましたと連絡は出来た。
でも研修は思っていた以上にハードで。
ホテルへ戻ると時刻は既に次の日を回っていた。
だからタイミングが悪くて、なかなか電話が出来なかった。
やっと電話できたのも、研修最終日・・・明日には島へ戻る日。

『研修どうだった?』
「思っていた以上に大変でしたよー。でもしっかり勉強できました」

どんな内容かは案内を一緒に読んだから知っているだろうけど、それでもどんなことをしたとか話した。
先生は時々相づちをうって、わたしの話を聞いてくれた。
だけど・・・

「先生、そっちはどうでしたか?」
『ん~、いつも通りだよ。今日はね、しげさんが』
「ちがいます」
少しキツイ言い方だったかなと思った。
だけど携帯を握りなおし、小さく呼吸を吐いた。そして、

「せ・・・先生は私が居なくて寂しかったりしませんでしたか?」
『彩佳さん・・・』

握りしめた携帯がやけに熱く感じる。
向こうで先生が困った顔をしているんだとひしひし感じた。

「ごめんなさい、先生っ!! なんか私、あの」

『寂しかったよ』
「えっ・・・」

聞き逃してしまいそうなほど小さな声。

『彩佳さんのいない一週間が、これほど長く感じるなんて思わなかったよ』
「コトー先生・・・」

さっきとは違う熱が体中に帯びるのを感じた。

『待っているよ』
「はい」




真っ青な海と真っ青な空。
そして真っ白な白衣を靡かせて、待っていてくれる人がいる。






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