doramaちゃんねる★色声機械メインです
色声機械*62+α
正義の味方
正義の味方
「ママ。"せぇぎのみかた"ってなぁに?」
ロボにそっくりな大きな瞳をキラキラ輝かせて、幸子は私を見つめた。
泡だらけの手を濯ぎ、幸子の視線に合わせる様にしゃがんだ。
「幸子、正義の味方って言った?」
「うん!"せぇぎのみかた"!!」
「保育園で教わったの?」
すると、幸子はコクコクと頭を振った。
「うん、そうだよ」
「そっかぁ。―――幸子、正義の味方ってのはね、普段は会社に行ってたりして、悪い人が現れたらロボットを操って闘う人よ」
「まじかるふぁいぶみたいなの?」
日曜の特撮ヒーロー戦隊を思い出したのか、幸子の顔は更に輝いた。
でも、
「それってパパみたいだね!」
「・・・はい?」
突然の幸子の言葉に私の思考が一瞬止まった気がした。
「だってパパは、まいにちかいしゃにいくでしょー!それにパパのおへやにはたくさんロボットあるのよ!」
小さな手を目一杯に広げて、なんとも誇らしげに話す幸子。
更にはほっぺに手を当てて、
「わぁぁ、さちこのパパは"せぇぎのみかた"なんだね!」
高揚した笑みを浮かべるとクルクル回りながらリビングへと行ってしまった。
「ただいまぁ~♪」
玄関の開く音と同時にロボの声が聞えた。
「あ!パパだっ」
幸子は玄関へと走った。
「パパおかえりなさぁーい!」
玄関から聞こえる"正義の味方"の話。
幸子の声と歓喜のロボの声。
まぁ・・・いっか。
私は夕飯の用意を始めた。
PR
この記事にコメントする