doramaちゃんねる★色声機械メインです
色声機械*62
家 庭 教 師
家 庭 教 師
「ねえロボ~。これってどうすればいいの?」
夏休み終了まで一週間を切った。
見てみないふりを続けた宿題とも正面と向き合わないとマズイと気がついた。
・・・・いや、最初から気付いてたんだけどね。
宿題を鞄に詰め込んで、ロボが出勤する時間までにここに来る。
そしてロボを見送って、わたしは宿題をする。
これが最近のわたしの一日の始まり。
夕方に夕飯の用意をして、クタクタに帰ってきたロボを出迎え。
それから2人でご飯を食べて、また宿題。
数学が得意なロボに解らないトコを聞くと、
「ちゃんと考えた?」
って聞かれて、頷くと『・・・それはねー』と先生よりも解りやすく教えてくれる。
ただ解らないからって聞くと、ちゃんと考えなさいって怒られた。
「俺さー、家庭教師のバイトしたかったんだよねー」
公式を解いていると、ロボがぽそりと呟いた。
「大学生の時?」
「そう。俺の周りで結構やっててさ。・・・ほら、宇佐見先輩とか。―――でさ、生徒の子とこんな話したとかきいてたら羨ましくて。なんか弟や妹みたいでさぁ」
「ロボはなんでしなかったの?」
「暇さえあれば教授に呼ばれてたから」
「・・・・それってロボがバカだから?」
「ちーがーうーっ!! 俺が優秀だったからっ」
「はいはい、ロボの妄想はいいから。・・・・でもロボが先生だったらいいかもね。だって教え方上手だよ」
さっきまでむくれていたロボがみるみる笑顔になった。
「そう言って貰うと、嬉しいなぁ~」
ニコニコ笑顔でわたしを見る。
「じゃあ、先生。次コレが解りません」
「ん、それはね―――――」
もうすぐ夏休みが終わって、いつもの生活が始まる。
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