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色声機械*62


HOLY NIGHTにくちづけを



「ロボ、24日は当然空いてるよね?」
って聞いたら一瞬「何を言っているんだろう」って顔。

そして、


「クリスマスは毎年ケロ山達と会議だよ」
クリスマスなんて無縁なんだよってブツブツ文句を言い続けてる。



―――って言うか、意味わかんないんですけどっ!?
仮にも私とロボは恋人同士なんだよ。

そして初めてのクリスマスなんだよっ。

それなのに私よりロボットをとるワケッ!?
何、平然とそうゆうこと言うの!?

信じられないって顔で見ていると、ロボはちらりと私を見て、

「25日じゃダメ…かな?」

まるで子犬のような甘える視線で聞いてきた。

「毎年恒例なんだ、今更断れないんだよ…ゴメンっ」

ロボはおでこをゴツンと床にぶつけ、土下座した。

「……いいよ、もう」

いい大人が中学生に土下座する姿があまりにも不憫で、つい許してしまった。

途端ロボの顔がキラキラ輝いて、

「わぁーい、ありがとうニコ~」

って嬉しそうに私に抱きついてきた。

 

 

私って…ロボに甘いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

結局私はクリスマスイブに一人過ごすことになった。

一海ちゃんは先日の合コンで見事ゲットした歯科医とデートだし、
お父さんとお母さんもどっかのクリスマスディナーを予約したから朝から出掛けちゃったし。

 

 

「はぁぁっ… 世の中平和だなぁ」

一人っきりの家の中。
昼頃に起きて、それからずっと私はテレビをつけてクリスマス一色の番組をぼーっと見ていた。
手元に置いた携帯を開いて見ても新着メールも何もなし。

「冷たいなぁ、ロボのバカ」

きっとケロ山さん達とロボット眺めて熱く語って居るんだろう。

「それにしても恋人が二の次なのが信じらんないっっ」

近くにあったクッションをこれでもかってくらい叩いた。

途端、『ぐぅ~』ってお腹の音。

「そう言えば、起きてから何にも食べてないなぁ」

時間はすでに6時過ぎ。ちらりと食卓を見れば、私の為にと買ってきてくれたフライドチキン。

だけどそれだけじゃ寂しいと、部屋に戻ってコートとマフラーを取ってきた。

「一人でケーキ、ワンホール食べてやる!!」

勢いよく玄関を出ると、

 

 

「うわぁっ!!」

「きゃぁっ」

 

 

ドスンと「誰か」に当たった。

「危ないなぁ、ニコ~」

「ロボッ!?

見上げればロボがにこにこ笑って立っている。

…ホンモノ?


「痛い痛いよ、ニコッ」

無意識にロボの頬を引っ張っていたらしく、手をバタバタと振っている。

「あ、ごめんなさい」

「あれ~、ニコはこれからお出掛け?」

抓られた頬をさすりながら小首をかしげるロボ。

「そっ。どっかの誰かさんが遊んでくれないから自棄食いのケーキを買いに行くところなの」

私を放っておいた罰として意地悪してみたくて、可愛気の無い言い方。

「うっ… そ、それは謝るから~」

ロボを見れば反省してますって顔。

「…ニコ怒ってる?」

「……ちょっとだけね。でもこうして会いに来てくれたからいいよ」

笑ってそう言った途端、手を強く引かれ、ぎゅっと抱きしめられた。

「ゴメンね、寂しかった?」

ロボの声が、凄く優しくて、だけど寂しそうで。

途端鼻の奥がツンと痛くなったと同時にポロポロ涙が溢れだした。

「ロボ…」

 

 

別に悲しいワケじゃない。

ただ、

ただ、ロボがちゃんと私のこと考えていてくれたのが嬉しくて。

 

 

背中に回した手に力を込めた。

「ニコ」

囁くように呼ばれ、顔を上げた。

するとゆっくりとロボの顔が近付いてきた。

私もゆっくりと目を閉じた。

唇に柔らかい感覚。

ほんの数秒の事。

だけど、それはまるで永遠のよう。

 

 

離れたと同時に目を開くとロボと目が合う。

ロボの顔はトマトみたいに真っ赤に染まっていて。

きっと私もおんなじ。

そして、そっと囁く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロボ、メリークリスマス」



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