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色声機械*62


the possessive instinct
本能のままに~


「あれ、二湖の背中になんか付いてるよ?」


体育の授業が少しだけ早めに終わり、次の授業開始までの少しだけ長い休み時間。
いつもなら忙しく着替えるけど、今日はゆっくり着替えていた。
半ば脱ぎかけの体操着を首に掛けたままの変な格好で、
「え、ゴミ?」
そのクラスメイトの方へ首を回した。
彼女は首を横に振ると、
「違うよ・・・・」
と、私の背中に顔を寄せた。

「ッ!?」

途端に彼女の顔が真っ赤に染まった。
あまりに突然で私は『えっ、何っ』と見えない背中に気が気でなかった。
そんな私に彼女はそっと耳元で囁いた。

「二湖、これってキスマークだよ」

「えぇっ!?」
その言葉に私の顔が熟したトマトよりも真っ赤に染まった。
私は慌てて首に掛かった体操着を脱ぐと、その勢いのままに制服へと着替えた。
「・・・へへへ」
「・・・あはは」
顔が真っ赤な2人で笑うしかなかった。
そして私は顔の真ん前で手を合わせると、
「このこと、誰にも言わないでっっ」
とぺこりと頭を下げた。
「言わないよっ。・・・・でも今度、二湖の彼氏のこと聞かせてね」
彼女は『ダイジョーブ』と笑って見せた。

「ねぇ、次の授業始まっちゃうよーっ」

クラスメイトの一人が、更衣室のドアから顔を覗かせ、未だ更衣室にいた私たちを急かすように呼んだ。
「あー、ゴメン。今行くー」
体操着をバッグに詰め込むと慌てて更衣室を後にした。


もー、ロボの馬鹿。
帰ったら絶対に反省させてやるんだからっっっ





the possessive instinct = 本能的所有欲
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