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ワタシノココロ

~プロローグ~

あの真夏の数日間。
色々な出来事が起こりすぎて、
どれが現実なのか、どれが夢なのかすら理解できなかった。

ただ。

お父さんが大好きだった九条さんに殺されたこと。
そして、
Lが私の前から姿を消したということ。


それは夢であって欲しかった―――――






み゛ーんみ゛ーん・・・

暦の上ではすでに秋のはずなのに、未だに蒸し暑い今日この頃。
私は検査入院していた病院を今日、退院する。
体内からウィルスも消え、他に異常も見当たらない。健康そのものになったから。

「じゃあ、真希ちゃん乗ってくれるかい?」
入院中、常に私の身の回りのことをしてくれた駿河さんが病院前に横付けした車の後部座席のドアを開けた。
私は見送りで出てきた担当の先生と看護師さんにお礼を言い、車に乗り込んだ。
車は静かなエンジン音を響かせてゆっくりと走り出した。
窓からは景色が流れていくのが見えた。
それをぼーっと見ながら入院中ずっと考えていたことが頭を過ぎった。

私はこれからどうなるんだろう・・・
唯一の肉親でもあるお父さんがいない今、私はひとりぼっち。
帰る先も、行く当てもない。



本当に一人になんだ・・・・




そんなことをぼんやり考えていると、車が突然地下へと入り込んだ。
そのまま当たり前のように車は駐車場の一画へと滑り込むように停まった。
「す・・・駿河さん?」
私は後部座席から身を乗り出して、運転席の駿河さんを見た。
駿河さんは笑顔のまま、
「さあ、着いたよ。降りて、降りて」
と、急かすように私を下ろした。
テディベアを抱き、数歩前を歩く駿河さんの後をついて行く。
地下駐車場のエレベーターに乗り込み、駿河さんがボタンを押した。
エレベーターは1階、2階と上がっていく。
一体何階行くつもりだろう。
暫くすると、ポーンと音と同時に扉が開いた。
「此所だよ、真希ちゃん」
背中を押されエレベーターから出ると大きな扉が目の前にあった。
駿河さんはその扉の傍らに立ち、手招きをした。
傍によると、扉の横に黒い機械が設置してあった。
私はこれを知っていた。

「指紋認証センサー・・・?」
「そう、よく知ってるね」
「うん。お父さんが居たところにもあったから」
私は駿河さんに進められるままにセンサーの感知部分へと指を当てた。
『ピピッ』と電子音が鳴り、感知部分が赤く点滅した。

『ニカイドウ マキ 認証シマシタ』

機械的な声が響くと同時に、扉の奥でロックの開く音が聞こえた。
私は何が何だかまったく解らず、駿河さんを見た。
「大丈夫だよ」
余程私の顔が不安でいっぱいだったんだろう。
駿河さんは私の頭をそっと撫で、扉に手を掛けた。
中にはいると、ずっと続く廊下。
そしていくつもの扉が並ぶ。
「一番奥へ行こう」
そう言われ、私はゆっくりと廊下を進んだ。
その長い廊下を歩くと、正面にまた大きな扉が現れた。
私は後ろに立つ、駿河さんに目で『ここ?』と尋ねた。
コクリと頷くのを確認すると、その大きな木製の扉を開けた。


「うわぁ・・・・」

思わずため息のような声が漏れた。
壁一面がガラス張りになっていて、そこから陽の光が部屋中を照らしていた。
部屋はアイボリーで統一された大人な雰囲気・・・
私はここに自分が何故いるのか余計に解らなくなった。
「・・・・す、する」

「今日からここが真希ちゃんの家だよ」

「えっ・・・」
ごく自然に、当たり前のように駿河さんが言ったコトバ。
私は抱いていたテディベアを更に強く強く抱きしめた。





*To be continued*
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