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色声機械*パラレル



王子様とお姫様~御伽話~



昔むかし、あるところに小さな王国がありました。
その王国には実はお見合いで知り合ったのに、国の者達には『運命の出会い』で結婚したと言い張る王様と女王様がおりました。
そして二人には、一海姫と二湖姫という可愛い娘がいました。

一海姫はお年頃とあって、近隣の王国の王子から毎日求婚の申し出がありました。
そんなある日のことです。
いつものように何人かの王子が一海姫に会いに来ました。
ただひとり、つまらなそうなお顔の子がいます。
二湖姫です。
まだまだ求婚されるには早いお年頃。
こうゆう時は決まって蚊帳の外。

二湖姫はお城から抜け出し、庭へと行きました。
お城の庭園は手入れが行き届き、大変見事な物でした。
小さい頃から暇さえあればここへ来ていた二湖姫。
お姫様は中でも一番のお気に入りの場所へ向かいました。

ジャバジャバジャバ・・・・・

小さな小高い丘から、人工の滝。その下の池へと勢いよく水が落ちています。
お姫様は靴を脱ぐと池の縁へ座りました。
そして、そっと足を入れました。
ひんやりと心地いい水の冷たさが気持ちよく感じます。
二湖姫は目を閉じ、風の音に耳を澄ましていました。

「・・・・はぁぁぁ・・・・・」

「?」
そよ風に乗って溜息が聞こえました。
二湖姫は立ち上がると、素足のまま溜息が聞こえた方へ向かいました。
池から大分離れた所にあるバラ園へと来ました。
「誰かいるの?」
二湖姫は声を掛けました。すると、
「・・・だ、誰?」
顔を出したのは見たこともない男の人でした。
「あなたもお姉様に会いに来た人なの?」
見るからに王子様そのものの格好。
二湖姫はそう言うと踵を返しました。
「こんな所にいてどうするの? お姉様にアピールしなくていいの?」
そう言って立ち去ろうとしたとき、グイッと裾を引かれました。
「!?」
「きみ・・・、第二王女の二湖姫だよね?」
「そ、そうだけど・・・」
「きみこそ、ここにいていいの?」
「私は除け者だからいいの」
少しすねた様子の二湖姫に王子様は微笑みました。
「あぁ、紹介が遅れたね。――――俺はマックス国の第一王子・ロボ」
そう言ってロボ王子は手を差し出しました。
二湖姫は少し躊躇いつつもその手を握り返しました。
そして王子はニッコリ笑って言いました。


「今度は君のためにここへ来てもいいかな?」



とおいとおい昔。
遙か異国の物語・・・・の始まりの物語



おしまい☆
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