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色声機械*62



毎度毎度の事だから。
私もいい加減諦めていた。

―――――はずだった。


 





「あ~・・・マックスロボはなんてカッコいいんだろう~」


卓袱台の上に置かれた青色のおもちゃ。
マックスロボを恍惚な顔で眺めるオタクサラリーマン。
あの日偶然にも(ロボ曰く、運命らしい)見つけたマックスロボのフィギュア。
それを怪しい外国人から譲って貰い、それから私が来る度にこの状態。
もしかしたら私が来ない日もこんなんだろうと想像がついた。

「ローボー、コーヒー飲んでいいの?」
一応でも、家主の許可を取るべく声を掛けた。
ロボはこっちに一度も目を向けることなく、
「いいよ、勝手に飲んで」
と、ヒラヒラ手を振った。

「・・・・・・」

ピクリとこめかみの血管が動いた。
私は台所に立つと、小さく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。


なんでこんなイライラするんだろう?


パカンとコーヒーの瓶の蓋を開けた。
分量通りにコーヒーメーカーにセットすると、スイッチ入れる。
暫くすればコポコポと音を立てて、いい香りが部屋に広がりだした。


だったら来なければいいじゃん。


フィルターから落ちる褐色の液体を見つめたまま、ふと自分に問いかけた。


別にここに来る理由はないんだよ、ニコ。


ロボの家に初めて来たのは三日坊主の誕生日会をするとき。
それから・・・
なんとなく、ここへ通っていた。
学校が終わってロボの帰る時間帯に通りかかって、部屋を見上げる。
部屋の窓が開いているのを確認すると、私だけのリズムで階段を駆け上がる。

「ロボ、居るーっ!!」

わざわざそう言ってはいるのは半分照れ隠し。
居るのは分かっているから。
だって確認しているんだもの。

「おかえり、ニコ~」

制服姿の私にそう言ってくれるロボは笑顔だった。
嫌な顔しないでいてくれる。

でも。
こんなにもイライラする私は嫌な子かもしれない。


出来上がったコーヒーをマグカップに注ぐ。

「コーヒー出来たの?」
「うひゃぁっ!?」

突然背後からの声に驚いてカップを落としそうになった。
「ニコッ!?」
ロボが慌ててその手を支えてくれたおかげで、マグカップは落ちなくて済んだ。
「ニコ、やけどとか大丈夫?」
「あ、う、うん。だいじょーぶ」
「そっか、良かった。女の子が火傷したら大変だもんね。――――俺の分もある?」
「うん、これいいよ」
持っていたカップをロボに差し出す。
それを受け取ったロボは台所を後にした。
ロボの居なくなった台所で私は蹲った。
心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていて。
ロボの触れた手が、熱い。
ドキドキが治まらない。

どうしちゃったんだろう、私。




もしかして、それは、



恋。



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