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doramaちゃんねる★色声機械メインです
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L c/h/a/n/g/e  t/h/e  W/o/r/L/d L×真/希

守るヒト、守るべきヒト。

 

満天の星空の下。
Lと真希は空を見上げていた。
時々聞こえるのは、鳥の鳴き声。そして駿河のどこかリズムが狂った鼻歌だけ。
あとは静寂そのもの。

「…なぁ、竜崎」
真希がLの方に顔を向けた。 そして、

「竜崎は、怖くないんか?」
そう言った真希自身のの表情は恐怖心や不安感でいっぱいになっていた。 



ウイルス発症まで後数日、抗ウイルス剤が手元に無い今。
真希は時々どうしようもない恐怖心に追いやられた。 
普段Lや駿河の前で明るく振る舞っていても所詮まだ子どもだ。こうした何気ない瞬間にやってくる。

「真希さん?」
よく見ると真希は小さく震えている。
Lはそっと真希の肩に手を置いた。ピクリと真希が動いた。 



「怖いです。とても」

真希が考えていた答えと全く違うLの言葉に真希が目を丸くした。
「いつも傍にワタリがいました…でも今は居ない。それがとても怖いです」
Lはジーンズのポケットからクシャクシャになった写真を取り出した。
「竜崎も怖いんか?」

どんな時もどんな敵にも決して怯むことのないL。
そんな姿を目の当たりにしてきた真希が“信じられない”と言う顔をした。
「だけど、」
Lは写真を大事そうにポケットへ仕舞う。
そして、真希の手をそっと握りしめた。

「だけど、今は守る人がいますから。だから怖いとは言っていられません」
「・・・・・さっき言ったやんか」

大阪人らしい真希の鋭いツッコミが入る。
「あぁ・・・そうでした」
Lが落ち込むのを見て、真希が笑い出した。


「ん? どうかしたのか」
真希の笑い声に駿河が2人の元にやってきた。
「なんもあらへんよ、なぁ、竜崎」
「はい、なんもあらへんよ」
「・・・・・」
取って付けたようなLの関西弁に駿河の顔が引き攣る。
だけど、さっきま元気がなかった真希が笑顔でいる。
駿河はふっと笑うと、真希の頭をくしゃっと撫でた。
そして再び車の修理を始めた、リズムがずれた鼻歌交じりに。


Lは隣で笑っている真希を優しい眼差しで見つめた。
この子の笑顔を曇らせるわけにはいかないと。
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