doramaちゃんねる★色声機械メインです
セ/ク/ロ/ボ*ニコ→ロボ
1日だけのシンデレラ
PHOTOby*RainDrop http://momo.raindrop.jp/
「久しぶり…元気だった?」
そう再会したあの日。
私とロボの関係は相変わらず。
私は…ロボの事好きなのに――――――
いつもの商店街。
そしていつもの場所に見慣れた車。
車の傍に寄り、主が居るか確認。予想的中、車内は空っぽ。
スッと視線を隣りのビルに移した。
二階の窓に『テレクラ』の文字。
「…またか」
ため息と同時に悲しい気持ちになった。
ロボに初めて会ったのは中学生の時。あの頃はまだ子供で…だけど子供扱いされるのが嫌で精一杯大人のふりをした。
それから私が高校生になって。久々に会ったロボは以前と変わらなくて。
だけど、私はあの頃とは違う。
身長もグッと伸びて、伸し続けた髪も腰まである。
これでも、時々…稀に『綺麗になったね』って言われたりするのに…
ねえ、ロボ。
私、少しでも大人のロボに近寄りたくて頑張ったんだよ。
なのに、一番気付いて欲しい人は素敵な運命の出会いを求めてテレクラ通い。
私じゃダメなのっ!?
何の罪もないロボの車をペチッと叩く。
それとも…
もう諦めるしかないの?
私は小さく溜息をついて、その場を後にした。
帰り道。
私は色々考えた。
本気でロボの事は諦めるしかないのかなって。
だけど、それは辛い。
せっかくあの頃のようにロボに会える。
それをまた…不意にしたくない。
じゃあ。
ロボへの気持ちをこのまま押し込めて、なんでもないふりをしていられるの?
何度も何度も自問自答を繰り返して。
だけど、結局…なにも浮かばなかった。
夕飯後、今日は珍しく早く帰って来た一海ちゃんにロボの名前は伏せたまま相談してみた。
久しぶりに会った友達を好きなんだって気付いたけど、私を子供にしか見てくれない。
どうしたらいいかな?って。
最初は黙って聞いていた一海ちゃんは途中からニヤニヤ笑い出していた。
そして、
「ニコ~、大人になったんだね~」
なんてグリグリ頭を撫でてきた。そして、
「だったらニコが子供じゃないって気がつかせればいいんじゃない」
「それが出来たら、こんなに悩まないよ…」
「ん~…でも案外簡単よ? 例えばね――――」
もう一か八かの大勝負で一海ちゃんの作戦に乗ってみることにした。
まず手始めにロボを誘い出すこと。待ち合わせになればなお良し…って事は。
私は今日もいつもの場所に向かう。
「あった」
ロボの車はいつもの場所に停まっていた。今日も素敵な運命の出会いを求めてテレクラに来ている証拠。
普段ならそれを見て怒ったりするけど、今日は違う。
私は携帯を取出すと、ビルの窓に書かれた番号を押した。
ぴっ…ぴっ…ぴっ…
コール音がなるか鳴らないかの瞬間。
『もっ、もしもしっ』
少し吃った慌てた声。
ロボだっ!!
私は少し声のトーンを高めに、
「もしもしぃ~」と話し出した。
途端、ロボが、
『今1人なのっ? 何歳なのっ?』
って質問してきた。更には『可愛い声だね~』って言い出した。
一瞬ムカッときたけど、ここで正体をばらしたら元も子もない。だから出来るだけ落ち着いて、
「ん~、今1人で部屋にいるの。暇だからかけちゃった。あ、歳は・・・内緒だよ」
『そっか~、内緒か~。じゃあ、彼氏はいるの?』
電話の向こう側でどんな表情しているかを簡単に想像できるくらいロボの声は嬉しそう。
「彼氏はいないよ。だから明日誕生日なのに1人なんだよね~、寂しいよねぇ」
少し強引な感じがしたけど・・・
『俺が一緒にお祝いしてあげるよっっ』
見事食い付いてきた。
それからロボと待ち合わせが決まった。
次の日。
朝から一海ちゃんはノリに乗っていた。
「ニコには~・・・この服の方が似合うかな、ん、待てよ。やっぱこっちかな」
クローゼットからいくつもいくつも服を出しては、私に翳して、ベッドに投げての繰り返し。
そして、
「やっぱりこれだねっ」
って選んだのは春らしい淡いピンクのシフォンのワンピース。裾にはカラフルな花の模様。
私が普段着ないタイプの服。
「あと、これも」
白い箱からヒールの高いパンプスも出してきた。
「さて、次はメイクとヘアースタイルだね~。・・・なんか楽しいね♪」
満面の笑みの一海ちゃんは私を鏡の前に座らせた。
「メイクはそんなにしなくてもいいとして・・・髪をどうするかだよね」
う~んと唸ったまんま一海ちゃんは鏡を見つめた。
「ニコは、思いっきり大人っぽくなりたいんだよね?」
「う、うん。まあ、程々に」
「よし、じゃあ、巻くだけでも普段と違った雰囲気になるし・・・それで行こうっ」
一海ちゃんはヘアーアイロンを手にすると、
「可愛くしてあげるからね~」
と笑った。
『今日誕生日なんだ』
テレクラで話した貴女はそう言っていた。
だから待ち合わせ時間よりかなり早く家を出て、花屋に寄る。
店員の可愛い女の子に任せて花束を一つ。
出来上がったのはチューリップやガーベラの春らしい花束。
それを助手席に乗せ、待ち合わせ場所に急いだ。
どんな子なんだろうな~♪
声の感じからして・・・一海ちゃんみたいな。
それとも・・・
なんて想像していたとき。
コンコンと助手席の窓が叩かれる音。
「あの~・・・須藤さんですか」
電話越しで聞いたあの声。間違えるわけがない。
俺は急いで車から降りた。勿論花束も一緒に。
「はじめましてっ、須藤威一郎ですっ」
がばっと勢いよく頭を下げる。
そして、花束を差し出して、
「誕生日おめでとうございますっ!」
頭をゆっくりと上げる。
初めて見る、彼女の顔・・・
まず最初に目に入ったのはピンク色のパンプス。
それから次は微風にひらひらとなびくワンピース。これまた淡いピンク色。
買ってきた花束と同じだ。
そして・・・・
「あ、あれ?」
花束を抱きしめた彼女の顔を見た途端唖然とした。
綺麗に巻かれた髪。
ほんのり引いた淡い色の口紅。
すごく似合っていて、綺麗なんだけど・・・
「ニコ?」
パチパチと瞬きを繰り返して、ごしごしと目を擦って何度見ても・・・
ニコだ。
「ぇぇぇぇぇぇええええっっっ!!!!?」
ズザザッと後ろに下がったけど、車に身体が当たる。
な、なんでニコが!?
それよりもなんで、
なんでこんなにっ!?
ここにニコが居ることも驚いた。だけど、それよりも。
普段とは全く違った服装のニコにドキドキと心臓が高鳴る。
「ごめんね、うそついちゃった」
そう言ったニコの声はあの声で。
黙ったままの俺にべこりと頭を下げて、
「ロボに・・・気付いて欲しかったの。私、もう子供じゃないんだよ」
ニコの素の声。
「ロボ。怒っているの?」
黙ったままの俺が怒っていると思ったらしく、そっと覗き込んできた。
どきっとした。
近くに寄ったニコは、すごく綺麗で。
心臓が痛いくらい拍っている。
「怒って・・・ないけど」
「ホントっ♪」
俺の言葉に笑ったニコはいつものニコの笑顔で。
だけど。
「ねえ、ロボ。デートしませんか?」
ニコが俺の腕に手を掛けた。
その顔がすごく大人っぽい。
もしかして、ニコは。
俺が思っている以上に子供じゃないのかもしれない。
あの頃とは違う。
俺の中で警笛が鳴る。
今手放したら、二度と戻らないと。
「こんな俺でよかったら・・・」
うんうんと頷いたニコは微笑んだ。
やっと見つけた、
俺のお姫さま。
そう再会したあの日。
私とロボの関係は相変わらず。
私は…ロボの事好きなのに――――――
いつもの商店街。
そしていつもの場所に見慣れた車。
車の傍に寄り、主が居るか確認。予想的中、車内は空っぽ。
スッと視線を隣りのビルに移した。
二階の窓に『テレクラ』の文字。
「…またか」
ため息と同時に悲しい気持ちになった。
ロボに初めて会ったのは中学生の時。あの頃はまだ子供で…だけど子供扱いされるのが嫌で精一杯大人のふりをした。
それから私が高校生になって。久々に会ったロボは以前と変わらなくて。
だけど、私はあの頃とは違う。
身長もグッと伸びて、伸し続けた髪も腰まである。
これでも、時々…稀に『綺麗になったね』って言われたりするのに…
ねえ、ロボ。
私、少しでも大人のロボに近寄りたくて頑張ったんだよ。
なのに、一番気付いて欲しい人は素敵な運命の出会いを求めてテレクラ通い。
私じゃダメなのっ!?
何の罪もないロボの車をペチッと叩く。
それとも…
もう諦めるしかないの?
私は小さく溜息をついて、その場を後にした。
帰り道。
私は色々考えた。
本気でロボの事は諦めるしかないのかなって。
だけど、それは辛い。
せっかくあの頃のようにロボに会える。
それをまた…不意にしたくない。
じゃあ。
ロボへの気持ちをこのまま押し込めて、なんでもないふりをしていられるの?
何度も何度も自問自答を繰り返して。
だけど、結局…なにも浮かばなかった。
夕飯後、今日は珍しく早く帰って来た一海ちゃんにロボの名前は伏せたまま相談してみた。
久しぶりに会った友達を好きなんだって気付いたけど、私を子供にしか見てくれない。
どうしたらいいかな?って。
最初は黙って聞いていた一海ちゃんは途中からニヤニヤ笑い出していた。
そして、
「ニコ~、大人になったんだね~」
なんてグリグリ頭を撫でてきた。そして、
「だったらニコが子供じゃないって気がつかせればいいんじゃない」
「それが出来たら、こんなに悩まないよ…」
「ん~…でも案外簡単よ? 例えばね――――」
もう一か八かの大勝負で一海ちゃんの作戦に乗ってみることにした。
まず手始めにロボを誘い出すこと。待ち合わせになればなお良し…って事は。
私は今日もいつもの場所に向かう。
「あった」
ロボの車はいつもの場所に停まっていた。今日も素敵な運命の出会いを求めてテレクラに来ている証拠。
普段ならそれを見て怒ったりするけど、今日は違う。
私は携帯を取出すと、ビルの窓に書かれた番号を押した。
ぴっ…ぴっ…ぴっ…
コール音がなるか鳴らないかの瞬間。
『もっ、もしもしっ』
少し吃った慌てた声。
ロボだっ!!
私は少し声のトーンを高めに、
「もしもしぃ~」と話し出した。
途端、ロボが、
『今1人なのっ? 何歳なのっ?』
って質問してきた。更には『可愛い声だね~』って言い出した。
一瞬ムカッときたけど、ここで正体をばらしたら元も子もない。だから出来るだけ落ち着いて、
「ん~、今1人で部屋にいるの。暇だからかけちゃった。あ、歳は・・・内緒だよ」
『そっか~、内緒か~。じゃあ、彼氏はいるの?』
電話の向こう側でどんな表情しているかを簡単に想像できるくらいロボの声は嬉しそう。
「彼氏はいないよ。だから明日誕生日なのに1人なんだよね~、寂しいよねぇ」
少し強引な感じがしたけど・・・
『俺が一緒にお祝いしてあげるよっっ』
見事食い付いてきた。
それからロボと待ち合わせが決まった。
次の日。
朝から一海ちゃんはノリに乗っていた。
「ニコには~・・・この服の方が似合うかな、ん、待てよ。やっぱこっちかな」
クローゼットからいくつもいくつも服を出しては、私に翳して、ベッドに投げての繰り返し。
そして、
「やっぱりこれだねっ」
って選んだのは春らしい淡いピンクのシフォンのワンピース。裾にはカラフルな花の模様。
私が普段着ないタイプの服。
「あと、これも」
白い箱からヒールの高いパンプスも出してきた。
「さて、次はメイクとヘアースタイルだね~。・・・なんか楽しいね♪」
満面の笑みの一海ちゃんは私を鏡の前に座らせた。
「メイクはそんなにしなくてもいいとして・・・髪をどうするかだよね」
う~んと唸ったまんま一海ちゃんは鏡を見つめた。
「ニコは、思いっきり大人っぽくなりたいんだよね?」
「う、うん。まあ、程々に」
「よし、じゃあ、巻くだけでも普段と違った雰囲気になるし・・・それで行こうっ」
一海ちゃんはヘアーアイロンを手にすると、
「可愛くしてあげるからね~」
と笑った。
『今日誕生日なんだ』
テレクラで話した貴女はそう言っていた。
だから待ち合わせ時間よりかなり早く家を出て、花屋に寄る。
店員の可愛い女の子に任せて花束を一つ。
出来上がったのはチューリップやガーベラの春らしい花束。
それを助手席に乗せ、待ち合わせ場所に急いだ。
どんな子なんだろうな~♪
声の感じからして・・・一海ちゃんみたいな。
それとも・・・
なんて想像していたとき。
コンコンと助手席の窓が叩かれる音。
「あの~・・・須藤さんですか」
電話越しで聞いたあの声。間違えるわけがない。
俺は急いで車から降りた。勿論花束も一緒に。
「はじめましてっ、須藤威一郎ですっ」
がばっと勢いよく頭を下げる。
そして、花束を差し出して、
「誕生日おめでとうございますっ!」
頭をゆっくりと上げる。
初めて見る、彼女の顔・・・
まず最初に目に入ったのはピンク色のパンプス。
それから次は微風にひらひらとなびくワンピース。これまた淡いピンク色。
買ってきた花束と同じだ。
そして・・・・
「あ、あれ?」
花束を抱きしめた彼女の顔を見た途端唖然とした。
綺麗に巻かれた髪。
ほんのり引いた淡い色の口紅。
すごく似合っていて、綺麗なんだけど・・・
「ニコ?」
パチパチと瞬きを繰り返して、ごしごしと目を擦って何度見ても・・・
ニコだ。
「ぇぇぇぇぇぇええええっっっ!!!!?」
ズザザッと後ろに下がったけど、車に身体が当たる。
な、なんでニコが!?
それよりもなんで、
なんでこんなにっ!?
ここにニコが居ることも驚いた。だけど、それよりも。
普段とは全く違った服装のニコにドキドキと心臓が高鳴る。
「ごめんね、うそついちゃった」
そう言ったニコの声はあの声で。
黙ったままの俺にべこりと頭を下げて、
「ロボに・・・気付いて欲しかったの。私、もう子供じゃないんだよ」
ニコの素の声。
「ロボ。怒っているの?」
黙ったままの俺が怒っていると思ったらしく、そっと覗き込んできた。
どきっとした。
近くに寄ったニコは、すごく綺麗で。
心臓が痛いくらい拍っている。
「怒って・・・ないけど」
「ホントっ♪」
俺の言葉に笑ったニコはいつものニコの笑顔で。
だけど。
「ねえ、ロボ。デートしませんか?」
ニコが俺の腕に手を掛けた。
その顔がすごく大人っぽい。
もしかして、ニコは。
俺が思っている以上に子供じゃないのかもしれない。
あの頃とは違う。
俺の中で警笛が鳴る。
今手放したら、二度と戻らないと。
「こんな俺でよかったら・・・」
うんうんと頷いたニコは微笑んだ。
やっと見つけた、
俺のお姫さま。
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