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L   c/h/a/n/g/e  t/h/e  W/o/r/L/d L×真/希


世界一の名探偵・Lが私の横で… 



となりでらせて




唯一の肉親の父親がブルーシップに殺されて、天涯孤独の身になった私を引取ってくれたのは竜崎だった。
彼自身がどんな状況かは知らないけど、大きなビルに一人住んでいる。
時々お世話しにくる駿河さん。
それ以外に出入りしている人を余り見掛けない。



=====

ここに居候し始めて一週間。
まず気がついたこと。
竜崎は部屋に一度入ると中々出てこないってこと。
四方モニターだらけの部屋…後々知ったけどキラ対策本部だったみたい…に一度入ると、英語やフランス語、私には解らない言葉をスラスラ喋り、手元は常にキーボードに向かっている。
時折、紅茶やコーヒーのおかわりを持って行くと口角を少し上げ、ぺこりと軽く頭を下げる。
私は竜崎に笑い掛け部屋を後にする。

そんな毎日だから外出をしないらしい。私が初めて会った時はあれだけ外に居たのに。
今は全く外へは行かない。
それに竜崎自身がご飯は食べないから、主食のおやつ…甘味を買いに出掛けるのは私の仕事。
最初はどんなのがいいのか解らなかったけど、今は竜崎に借りたパソコンでネット検索をして周辺のお店を調べたり、後お取寄せってのもしたりしてる。
だから結構レパートリーがあるんだよね。


時刻は深夜0時を回った頃。
相変わらず仕事で部屋から出て来ない竜崎に苺のショートケーキ、それからおかわりの紅茶とそろそろ空っぽになるだろうのシュガーポットを届ける為に部屋に向かった。


「ふぁっ…」
欠伸が漏れる。
これ運んだら寝ようかな…
なんて考えて、竜崎の部屋の扉をノックした。
「ケーキ持ってきたよ」
「入って下さい」
って声に部屋に入る。
幾つものモニターに囲まれた竜崎は私が部屋に入るなり、クルッと振り向いた。
「真希さん、ありがとうございます」
そう言ってピョンッとイスから飛び降りた。そして、ペタペタと歩いて来て、ソファに飛び乗った。
「こちらにお願いします」
竜崎の前にケーキと紅茶とシュガーポットを置いた。
「真希さんは食べないのですか?」
シュガーポットから角砂糖を摘んで紅茶に落としながら竜崎は顔を上げた。
「もう夜も遅いから、私はいいよ」
ふるふると頭を振ると、『そうですか、』って少し淋しげな言い方に、
「じゃあ、食べ終わるの待ってよっかな♪」
竜崎の隣りにストンと座り、へへっと笑う。

「では、いただきます」
手を合わせ、ぺこりと軽く頭を下げ、食べ始めた。
「美味しい?」
って聞くと『はい、とても』って言ってくれるから顔がニヤける。
「竜崎は今夜も仕事?」
「いや、ほぼ片付けました」
プスッと苺にフォークが刺さる。
「そっか。じゃあ今夜は寝るの?」
「このまま何事もないようなら寝ます」 
なんて竜崎と他愛もない会話をしていた時、突然。
竜崎の気配が止まった気がした。不思議に思って、振り向こうとしたら、竜崎が傾いて来た。

「へっ!?」

そのまま『トスッ』って感じで私に寄り掛かってきた。
あまりにも突然で、「具合が悪くなった!?」って考えが頭に過ぎった。だから慌てて、

「りゅっ…竜ざ――」

寄り掛かったままの竜崎に手を掛けた時、
「あ…れ?」
スースーと規律正しい寝息が微かに聞こえた。
もしかしなくても…寝てる?
そっと動かさない様に覗き見ると、


やっぱり寝ちゃってるよ~


正直ドキドキしてる。
居候し始めて一週間も経つけど、竜崎が寝てる姿ってのを一度も見た事がなかったから。
だから、すごく嬉しく感じた。
すごく信用されてるんだって思えたから。

「りゅ・う・ざ・き」

そっと呼びかけると、
「・・・ん・・・」
小さく唸るだけ。
竜崎の手からフォークを抜き取り、空いた手に私の手を重ねると弱々しい力で握りかえしてくる。
わたしは寄り掛かった竜崎にそっと頭を重ねた。
竜崎の寝癖っぽい髪が顔に当たってくすぐったい。
だけどそれ以上に気持ちもくすぐったいよ。
寝息と一緒に竜崎の鼓動も微かに届く。
とくん、とくん、とくん・・・
私の鼓動は少し早いよ。
だってすごくドキドキしてるから。

きっと明日は寝不足かもね。


「竜崎、おやすみなさい、」

そっと囁く―――――


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