死帳別世界*Lmaki
ふと目が覚めると、隣で寝ていたはずのLが居なかった―――――
early in the morning
朝の少しだけ覚醒した私は寝返りをした。
いつもならすぐ隣にある温もりが無いのに気が付いた。
「、Lッ!?」
勢いよく起き上がり、Lの居るはずの場所を何度も叩く。それから布団を捲ってみたり。
なんて事をしているうちにはっきりと頭が覚醒してきた。
・・・・仕事?
私はベッドから出るとLの部屋へ向かった。
寝室から少しばかり離れたLの仕事部屋のドアをノックする。
だけど全く返事がない。
「?」
私は「Lいるの~?」と言いながらドアを開けた。
ドアの隙間から顔を入れ除いてもLの姿はない。
部屋の中はメインのモニターだけがスクリーンセイバーになっていて、部屋をほのかに灯しているだけ。
「まさか・・・」
私はもしかしたら・・・と思ってある場所に向かった。
「Lが外に出るの珍しいね」
ビルの外に出るとLが立っていた。
まだ日が昇らない薄暗い中、Lはじっと空を見上げていた。
「真希さん、おはようございます」
私の声にLがゆっくりとした動作で振り返った。
「雨上がりの早朝は特に好きなんです」
Lは再び空を見上げた。
私はLの隣に寄ると、同じように見上げてみた。
「雨で空気中の汚れが流され、空が一段と澄むのです」
「うん、確かに綺麗だよね。それに空気が凛としてる感じがするね」
って頷くとLは微笑んだ。
「だから好きなんです」
そう言ったLの横顔にドキドキした。
見慣れたLの横顔なのに・・・
頬が熱くなる感じがする。
きっと赤くなってる。
私はドキドキ高鳴る心臓をぎゅっと押さえ込むように胸に手を当てた。
こんなにも静かだと隣のLに聞こえる気がしたから・・・
「くしゅんっ」
なんて考えていたら、くしゃみが出た。
途端プルッと背筋が震える。
「寒いですか?」
「うん、なんだか冷えてきたみたい」
起きがけの薄着のままの私。
Lはいつもの服装。
「・・・では、」
「え、」
Lの長い腕が私の腰に回り、そのまま抱き上げられた。
私は落ちないように慌ててLの首に腕を回した。
「真希さん、温かいですか?」
さっきより近くにあるLの顔。
「う、うん。温かいよ・・・」
Lの体温が温かいのと、身体が火照るので熱いくらい。
「あ・・・」
いつの間にか空がほんの少しだけ明るくなり始めた。
それから間もなくして朝日が辺りを照らし始める。
「綺麗・・・」
「そうですね」
暫く黙ったまま見ていた。だけど、
「くしゅん」
またくしゃみが一つ。
「では中に入りましょうか」
「うん、」
私が降りようとLに回した腕を解いたけど、
「降りなくて良いですよ」
って言葉に再び腕を回した。
そして、Lはそっと耳打ちした。
「早く戻って、真希さんの冷え切った身体を温めましょうか」
「えっ」
その言葉にLの顔を見ると悪戯っ子のような笑顔をしていた。