赤いワンピース

Ｌ c/h/a/n/g/e t/h/e W/o/r/L/d　Ｌ/真/希


赤いワンピース

「制服のままでは目立ちます。取り敢えず着替えましょう」
Ｌは真希の制服を一瞥し、『着替えは持っていませんか？』との質問に真希は頭を振った。
「ではまず、真希さんの服を買いに行きましょう」
Ｌは真希の手とBOYの手を握ると走るように歩き出した。


ディスカウントショップ内に鳴り響く大音量の音楽。
遅い時間にも関わらず店内には沢山の人が入り乱れている。
その人混みを縫うように3人は歩き、店内の一角の洋品コーナーへと向かった。
「真希さんには大変申し訳ないのですが、こちらで買わせていただきます」
「別に気にならないよ」
「そうですか・・・ではこの服は」
そう言ってＬが手にしたのはレースがヒラヒラしたメイド服。
「・・・・竜崎。本気で言ってるの？」
「冗談です。ではこちらは」
次に手にしたのはチャイナドレス。
「・・・・・」
「ダメですか。真希さんは色白ですから赤が似合うと思ったのですが」
心底残念そうにチャイナドレスを戻すＬの姿に、
「だからって・・・それはちょっと」
当たり障りのない言い方で真希は、グルリと見渡した。
すると少し高い位置、Ｌの真後ろに赤いワンピースが吊してあるのが目に付いた。
「ねえ、赤だったらあれならどうかな」
真希の差した方へ顔を向けると、
「そうですね、あれなら真希さんにお似合いです」
Ｌは口角を少し上げ、ヒョイっとワンピースを取った。
それを真希に当て、
「やはり、赤が似合いますね」
と微笑んだ。
真希も照れるように微笑んだ。