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doramaちゃんねる★色声機械メインです
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food32.gifL   c/h/a/n/g/e  t/h/e  W/o/r/L/d L×真/希


sweet time*maki side
 

PHOTOby*RainDrop 
http://momo.raindrop.jp/

さっき部屋を覗いたら、何だか忙しそうで。
だから後でもいいかなって、二つのケーキが乗ったお皿とティーポット、それからお揃いのカップをリビングに置いた。

もう少ししたら、一緒にお茶でもって思ったから。 




sweet time*maki side 





お茶の用意をして、ほんの少しだけリビングから離れただけだったのに。
リビングに戻ると、ソファにいつもの体育座りの竜崎がいて、

「真希さん、ケーキ頂いてます」

って言いつつも既にケーキが無い。

――――二つとも。


「りゅっ、竜崎のばかぁぁぁあっ」


突然の大声に驚いた竜崎がソファからずり落ちた。
そんなの今はどうでもいい。
だって、折角2人でお茶しようと思って用意したケーキなのに…
それを、それを―――


「竜崎なんて、大キライ」


そのまま部屋を飛び出した。



「…ふぇっ…ヒック…」
別にケーキを食べちゃったから怒ったんじゃない。
折角2人でゆっくり過ごす時間を用意したのに…
それを、

「竜崎のばか」

「馬鹿ではありません」
「!?」

振返ると、開いたドアの前に竜崎が立っていた。
片手にはケーキの箱。

「一緒に食べませんか?」 
竜崎は私の手を取り、ペタペタと歩き出した。




リビングのソファに座ると箱からケーキを取出して、お皿に乗せ私の前に置いた。
そしてその箱を邪魔にならないテーブルの隅に寄せた。
「竜崎の分は?」
「残念ながら、ありません」
「え、じゃあこれ食べてよ」
ケーキ皿を竜崎の前にずらすと、竜崎は指を咥えたまま、 

「食欲がありません」

竜崎の言葉に手が止まる。
「先程、真希さんに『大キライ』と言われてショックでした」
いつもの無表情のまま淡々とした口調。
「…うそ?」
「本当です。だから食欲がありません」
「ケーキなのに?」
「はい」
「大キライって言われたから?」
「はい」
「竜崎、哀しかった?」
「はい」

竜崎が困った様な顔で私の方々向く。

「じゃあ、じゃあどうしたら食欲出るの…」

「そうですね…」
宙に少し視線を泳がせて、それからそっと耳打ちした。


「『あーん』してください。それなら食欲が出るかもしれません」



私と竜崎の前には一つだけのケーキ。それを少しだけフォークに刺して、

「はい、あーん」
「あーん」
「美味しい?」
「はい、美味しいです」



ケーキ一つ分のティータイム。
ケーキより甘い甘いふたりの時間を。



「竜崎、」
「はい?」
「大好きだから」
「はい、知ってます」


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