doramaちゃんねる★色声機械メインです
カタンとドアの音にモニター越しに確認すると、真希の姿と微かな甘い匂い。
モニターの時刻を確認すると、午後3時を示していた。
「ティータイムですね」
Lは回転椅子から飛び降りると、その部屋を後にした。
sweet time*L side
リビングに入ると真希の姿はなく、中央のテーブルにはケーキと紅茶のセット。
それを見たLは少し考えると、
「先に頂きましょう」
その内来ると思われる真希の分の紅茶もカップに注ぎ、自分の分の紅茶をカップの半分だけ注いだ。
そしてそのカップにポチャンポチャンと角砂糖を入れる。
カップの中身が縁ギリギリになったところでティースプーンでくるくる掻き混ぜた。
既に液体では無くなった紅茶を一口啜り、それからケーキへと手を伸ばす。
さっきまでのチョコやクッキーといった保存可能な物とは違う甘さに食が進む。
「あ、終わってしまいました」
あっという間に皿の上のケーキが無くなっていた。
用意されていた2つのカップ同様、ケーキも二つがLの分では無いのは一目瞭然。
「・・・・まずいですね」
本気で思っているか定かではないが、Lはガリガリと爪をかんだ。
そこに、人の気配を感じ振り向くと真希が立っていた。
「・・・・」
「・・・・」
「真希さん?」
「・・・りゅ、竜崎なんて大キライっ!!」
真希は踵を返しリビングから走っていった。
残された竜崎はというと、ソファからずり落ち、目を更に大きくしたまま。
L自身、何を言われたかが理解できず、考え、そして理解すると同時にムクリと起き上がった。
ボリボリと頭を掻き、
「やはりケーキですよね」
既に空になった皿を見つめ、Lは小さく溜め息を吐いた。
「“大キライ”とは・・・・」
先程の真希の怒った顔と、言葉が何度もリフレインする。
「こんなに辛いものだとは知りませんでした」
ガリガリと囓っていた指を外し、歩き出した。
「早く仲直りしましょう」
ビルを出て、道を挟んだ反対側に小さなケーキ屋がある。
ここ最近オープンしたばかりだが、なかなかの評判で午前中はいつも混雑していた。
だから真希は『竜崎の大好きなショートケーキを買うには開店時間には行かなくちゃね』と言っていた。
真希は笑って言っていたが、ほぼ毎日この店のケーキが用意されているということは真希がほぼ毎日開店時間を見計らって買いに行っているというわけで。
「毎日同じ時間に行くことは大変な事です」
Lは店に向かいながら考えた。
いつも当たり前に用意されているケーキ達。
しかもそれは多種多様に。
自らワタリと同じ事を求めた訳ではない。
「毎回同じだと飽きちゃうでしょ」
それはLを思い遣る真希自身の優しさからの行動。
なのに自分は――――
「・・・・」
Lはそっと店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
カランコロンと小さい鐘の音を鳴らして店にはいると、若い女性の店員が笑顔で迎入れた。
Lは軽く頭を下げ、正面のガラスケースに目をやる。
「すみません、ケーキはこれだけなんです」
店員の女性が申し訳なさそうに言う。
ガラスケースにはポツンとケーキが一つ。
キョロキョロと目をやると、他に焼き菓子が幾つかあるだけ。
「・・・ではこのケーキだけ下さい」
小さい箱を手にしたLは店を後にした。
ビルに戻ったLはリビングを過ぎ、真希の部屋に向かう。
部屋の扉は開けっ放しで、中を覗くとベッドにもたれ掛かった真希の姿が目に入る。
正直どう声を掛けて良いか解らず考えていると、
「竜崎のバカ・・・」
と聞こえ、つい。
「馬鹿ではありません」
「!?」
その言葉に真希が驚き振り返った。
Lはそのまま真希の元に行き、手を握り立たせると。
「一緒に食べませんか?」
ケーキはひとつだけ。
だけどそれ以上に甘い甘い何かがあるはず・・・
モニターの時刻を確認すると、午後3時を示していた。
「ティータイムですね」
Lは回転椅子から飛び降りると、その部屋を後にした。
sweet time*L side
リビングに入ると真希の姿はなく、中央のテーブルにはケーキと紅茶のセット。
それを見たLは少し考えると、
「先に頂きましょう」
その内来ると思われる真希の分の紅茶もカップに注ぎ、自分の分の紅茶をカップの半分だけ注いだ。
そしてそのカップにポチャンポチャンと角砂糖を入れる。
カップの中身が縁ギリギリになったところでティースプーンでくるくる掻き混ぜた。
既に液体では無くなった紅茶を一口啜り、それからケーキへと手を伸ばす。
さっきまでのチョコやクッキーといった保存可能な物とは違う甘さに食が進む。
「あ、終わってしまいました」
あっという間に皿の上のケーキが無くなっていた。
用意されていた2つのカップ同様、ケーキも二つがLの分では無いのは一目瞭然。
「・・・・まずいですね」
本気で思っているか定かではないが、Lはガリガリと爪をかんだ。
そこに、人の気配を感じ振り向くと真希が立っていた。
「・・・・」
「・・・・」
「真希さん?」
「・・・りゅ、竜崎なんて大キライっ!!」
真希は踵を返しリビングから走っていった。
残された竜崎はというと、ソファからずり落ち、目を更に大きくしたまま。
L自身、何を言われたかが理解できず、考え、そして理解すると同時にムクリと起き上がった。
ボリボリと頭を掻き、
「やはりケーキですよね」
既に空になった皿を見つめ、Lは小さく溜め息を吐いた。
「“大キライ”とは・・・・」
先程の真希の怒った顔と、言葉が何度もリフレインする。
「こんなに辛いものだとは知りませんでした」
ガリガリと囓っていた指を外し、歩き出した。
「早く仲直りしましょう」
ビルを出て、道を挟んだ反対側に小さなケーキ屋がある。
ここ最近オープンしたばかりだが、なかなかの評判で午前中はいつも混雑していた。
だから真希は『竜崎の大好きなショートケーキを買うには開店時間には行かなくちゃね』と言っていた。
真希は笑って言っていたが、ほぼ毎日この店のケーキが用意されているということは真希がほぼ毎日開店時間を見計らって買いに行っているというわけで。
「毎日同じ時間に行くことは大変な事です」
Lは店に向かいながら考えた。
いつも当たり前に用意されているケーキ達。
しかもそれは多種多様に。
自らワタリと同じ事を求めた訳ではない。
「毎回同じだと飽きちゃうでしょ」
それはLを思い遣る真希自身の優しさからの行動。
なのに自分は――――
「・・・・」
Lはそっと店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
カランコロンと小さい鐘の音を鳴らして店にはいると、若い女性の店員が笑顔で迎入れた。
Lは軽く頭を下げ、正面のガラスケースに目をやる。
「すみません、ケーキはこれだけなんです」
店員の女性が申し訳なさそうに言う。
ガラスケースにはポツンとケーキが一つ。
キョロキョロと目をやると、他に焼き菓子が幾つかあるだけ。
「・・・ではこのケーキだけ下さい」
小さい箱を手にしたLは店を後にした。
ビルに戻ったLはリビングを過ぎ、真希の部屋に向かう。
部屋の扉は開けっ放しで、中を覗くとベッドにもたれ掛かった真希の姿が目に入る。
正直どう声を掛けて良いか解らず考えていると、
「竜崎のバカ・・・」
と聞こえ、つい。
「馬鹿ではありません」
「!?」
その言葉に真希が驚き振り返った。
Lはそのまま真希の元に行き、手を握り立たせると。
「一緒に食べませんか?」
ケーキはひとつだけ。
だけどそれ以上に甘い甘い何かがあるはず・・・
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