doramaちゃんねる★色声機械メインです
平日の午後。
今日は学校が半日で。
だから、むーちゃんを含めた友達数人と買い物に来ていた。
「平日なのに混んでるよね~」
「ホント。・・・で、次何処行く?」
人が溢れかえる中をきゃあきゃあ言いながら歩く友達。
私は少し遅れて着いていた。
別に嫌なワケじゃないけど・・・。
こうゆうのってやっぱり馴染めない。
さっき寄った店で買ったワンピース。
それが入った紙袋をチラリと見た。
みんなに『似合うよ~。二湖、せっかくだから買っちゃいなよ』って乗せられて買ってしまった。
・・・こんなヒラヒラしたのいつ着るのよ、私。
小さく溜め息をついた。
すると、
~♪
「ん、電話だ」
慌てて携帯を取り出すと、画面には『ロボ』の文字。
私は迷わず通話ボタンを押した。
『あ、ニコ。』
ロボの暢気な声が私の名前を呼ぶ。
「どうしたのよ、今仕事中でしょ」
『うん、そう。』
「・・・そうって、そんな暢気に言ってる場合なの?」
って少し呆れて話しているとポンと肩を叩かれた。
ピクリとして見ると、むーちゃんが口パクで、あの店に居るからって言いながら指さしていた。
私は『ごめんね』って身振りですると、『いいよ』って笑って店へ入っていった。
『・・・・もしかしてニコ、出掛けてるの?』
「ん、友達と買い物来てる」
途端ロボが慌てふためいた。
『ご、ごめんっ。邪魔しちゃったよね』
「別にいいよ。もう私は買っちゃったし」
『へえ、何買ったの~』
「ワンピース」
素っ気なく言うと、ロボは電話向こうで、
『夕方は予定あるの?』
「え、別にないよ。これで帰ると思うし・・・」
『じゃあさ・・・』
って時だった。
「じゃあさ、帰り家寄ってよ」
雑踏の中、私の耳に届いた声。
これは電話越しじゃなくて・・・
私は声のする方へ顔を向けた。
すると人混みに紛れて、携帯を片手にするロボがいた。
ロボは私に気が付いていない。
「・・・寄って欲しいの?」
少し意地悪な言い方。
ロボの頭が少し傾く。
「私に会いたい?」
途端、ロボが止まったのが見えた。そして、
「うん、ニコに会いたい」
その時のロボの表情はいつも以上に甘く、優しい笑顔。
ロボの表情が私の脳裏に焼き付く。
どきどきと心臓が痛いくらい高鳴る。
「ニコ?」
黙り込んだ私をロボが呼ぶ。
「ロボ、私も会いたいよ・・・・」
「うっ・・・うん」
私の言葉にロボが戸惑っているのが伝わった。
だけどそんなのどうでもいい。
ロボの甘いあの笑顔が私を捕らえて放さない。
「ロボ、早く帰ってきてね」
早く貴方に会いたい。
電話越しじゃなくて、耳元で囁いて。
甘いとろけるような笑顔で呼んで。
“ニコ”
って呼んで、抱きしめて―――――
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