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zakka18.gif色声機械*6ボ2コ


の恋人

PHOTOby*RainDrop http://momo.raindrop.jp



学校帰り、ちょっとだけ遠回りして帰った。
もしかしたら帰ってくる途中のロボに会えるかもなんて思ったから。


「あれ、ニコじゃん」

予想的中。
駅からロボの家へと続く、商店街で前から歩いてきたロボが私に気がついた。
ロボは手を振りながら、私の元へと走ってきた。
「どうしたの、こんな所で」
「学校早く終わったし、ロボのトコ行こうかなって思ったの」
「そっか~・・・・じゃあ夕飯どうする? 食べていくなら買い物してこうか」
「もちろん、食べてくよ」
なんてロボといつもと変わらない会話をしていたとき。

「あら、須藤君じゃない?」

突然聞き慣れない声で、引き留められた。
私とロボが振り返ると、スーツ姿の女の人が立っていた。
ロボは、
「あっ、あれ。お疲れ様ですっ。どうしたんです、こんな所で」
なんだか慌てた感じのロボが聞くと、
「今日は外回りだったから。この近くに取引先あるのよ・・・須藤君知らなかったの?」
「えぇっ、そうなんですか!?」
ロボが驚いた様子で頭を搔いた。
「ふふふ・・・。あ、そうそうあの書類の件だけど―――」
ロボとその女性・・・明らかにロボの上司は仕事の話で盛り上がっていた。
いつもロボットの話で盛り上がっているロボとは違って・・・

なんだか凄く遠くに感じた。


私は一人取り残された感じがして、ロボの手をそっと握った。
ここにいるよ・・・置いていかないで。
突然私が手を握ったことに、ロボは驚いて私を見た。
すると、
「あら、ごめんなさい。仕事中でもないのに引き留めてしまって」
彼女は申し訳なさそうに頭を下げた。
そして私に気付いた彼女は、
「須藤君の・・・妹さん? ごめんね、お兄さんを引き留めてしまって」
私は『別にいいです』と頭を振った。



やっぱり・・・
やっぱり世間一般にはそう見えるんだ。



こうしてハッキリと言われるとやっぱりショックで。
私は溢れそうになる涙を一生懸命堪えた。

「ではまた明日、会社でね」
彼女は笑顔で去っていった。けど、

「寺内さんっっ!!」

突然ロボが大声で呼び止めた。
それはあまりの大声で私もビクリとしてしまった。
呼び止められた彼女・・・寺内さんは不思議そうに振り返った。
ロボは『ちょっと待ってて』と私の頭を撫でると、そっちへ走っていった。
そして、二言、三言話すとロボは戻ってきた。
こっちを向いたままの寺内さんが私に向かって、一礼をした。
何が何だか解らず、私も取りあえず頭を下げといた。

「お待たせ、ニコ。・・・さて買い物していこう」
ロボが私の手を握りしめた。だけど、
「ちょっ、ちょっと待ってよ。今何の話してきたの!?」
「ん~、たいした事じゃないよ。
ニコは妹じゃなくて、俺の恋人ですって言ってきただけ」
あっけらかんと言うロボに私は、言葉を失った。
だって、私は中学生だよ。
ロボはオトナだよ。
それって・・・・

「世間的に変だよ・・・・」
「ん?」
「ロボがもっと変な人に思われちゃうよ」
「・・・もっとって何それ」
ぷーっとロボが頬を膨らませたけど、私は無視した。
「今からでもいいから、友達ですって言ってきてよっ!!」
「え、なんで。友達じゃないじゃん」
「だって、だって・・・」
さっき堪えた涙が次々と溢れて出来た。
ロボはそれをそっと拭うと、

「別にニコが中学生だから好きなんじゃないよ。
ニコがニコだからだよ。だから隠す事じゃないよ」

ロボは頬を赤く染めて笑った。

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