真夏の雫
注意*少しばかりオトナ向けです。苦手さんは回れ右ッ☆
み゛ーん、み゛ーん、み゛ーん、
「・・・もお、あっついぃぃぃぃぃぃっっ!!!」
ニコが耐えきれなくなったのか、突然大声を出した。
その声に驚いたロボが、台所から顔を出した。
「なんでこんなに暑いのよっ」
いつものお気に入りのベッドに転がり、目の前には扇風機。
扇風機は既に固定モードにされ、ニコに向かって一生懸命風を送っている。
「扇風機独占してるくせに・・・文句言うなよ~」
呆れ顔で、ロボがぼやいた。
「だって暑いんだもん」
ぷうっと頬を膨らませたニコがロボを睨んだ。
「そんなに文句言うなら帰ればいいじゃんかよ」
「はぁぁっ。何それ。何その言い方っ」
更に頬を膨らませたニコがプイっとそっぽを向いた。
「あっ、ゴメン。だってそんなに暑いならもっと涼しいところ行けばって意味で・・・
って結局一緒か。・・・・いや、その、あのね、ニコ」
慌てふためいたロボはニコの傍に正座で座り込み、バタバタと両手を上下に振った。
「・・・・ぷっ。変なロボ」
吹き出したニコはロボの方へ振り返った。
「そうだ、麦茶飲む? 氷たっくさんいれたやつ」
「うん、いる」
上半身だけ起こして、ちょうだいと言わんばかりに手を出した。
「持ってくるから待ってて」
ロボはいそいそと台所へ戻っていった。
カランと音氷のを立てたグラスがテーブルに置かれた。
すでに中身は空。
氷だけが残っていた。
「勿体ないなぁ、氷食べないのニコは」
口いっぱいに氷を含んだロボは不思議そうにニコを見て首を傾げた。
「・・・そんなことしないよ。だって味ないもん」
少し唇を尖らしたニコがこれまた同じように小首を傾げた。
「冷たくて気持ちいいのに・・・」
ぼやいたかと思うと、ロボは突然パッと顔を輝かせてニコを見つめた。
そのあまりに突拍子もない行動にニコの顔が引き攣る。
「・・・・・に~こ~」
奇妙な笑みを浮かべたロボが近寄る。
「!?」
ニコは仰け反るように避けたつもりだったが、
「捕まえた♪」
がっちりとロボに手首を捕まれたニコはそのまま勢いよく引かれた。
「ひゃあっ」
ロボの上に倒れ込む。
数センチ下にロボの顔。
ドキドキドキ
心拍数が一気に上昇するのが分かった。
部屋が暑い以上にニコの体温が上がっていく。
「・・・・ろ、ロボ。ごめん」
退けようと身体を動かそうとすると、
「ニコ、暑いでしょ。冷やしてあげるよ」
ロボの言葉の意味が理解できず、ニコが戸惑っていると。
「ひゃんっ」
口に含んだ氷をほんの少しだけ唇に挟み、ニコの首筋に滑るように押し当てた。
初めての刺激にニコの身体が固まった。
抵抗がないのを確認するとロボは、
「冷たいでしょ?」
そう言うとくるりと回転し、ニコを下にする。
それと同時にニコの唇へ触れた。
最初はそっと触れるだけ。
「―――んンっ!?」
突然冷たい固まりが口内へ入ってきた。
それと同時にロボの舌がニコの口内を犯す。
氷の冷たさと、ロボの舌の暑さが脳を段々麻痺させていく。
溶けた氷の雫がニコの口角から流れ落ちる。
「はぁ・・・・ぁん・・・・」
自然とロボの背中に手が回る。
口の中の氷はいつの間にか消え、少し冷えたロボの舌だけ。
「・・・・ニコ、」
ゆっくりと離れ、そっと名を呼ぶ。
眼下には頬を真っ赤に染め、虚ろな眼差しのままのニコ。
口角から流れ落ちた雫の後が艶めかしく感じる。
「ニコ――――」
再びロボはニコの首筋に顔を寄せた。