doramaちゃんねる★色声機械メインです
「二湖~、郵便物取ってきて」
台所で鼻歌交じりで料理をしているお母さんに言われ、半ば渋々と玄関先へ向かう。
ポストを開けると何通かの手紙。
自分宛はあるかなぁと宛先を一つ一つ確認した。すると…
『林 二湖 様』
微妙に丁寧な筆書きで私宛の封書があった。
…今時筆書き?
不思議に思って封筒をひっくり返して差出人を見た。
だけど、何も書かれていない。
「あ…ロボからだ」
よくよく見れば封をしてあるシールがマックスロボ。
こんなシールを貼ってくる知り合いは一人しかいない。
他の手紙を咥え、ロボからの手紙を開けた。
中身を出すと、紙切れが2枚だけ。
一枚はチケットだった。
『ご招待券』
とだけ書かれて、端っこにマックスロボがポーズを決めている。
どう見てもロボの手書き。
で、もう一枚には、
『林二湖様
残暑厳しい中、如何お過ごしでしょうか?
突然ではありますが、○月○日土曜日に同封の招待券をお持ちの上、我が家まで来てください。
須藤威一郎 拝』
と何だか畏まった文字が並べられている。
「…なんなのよ、一体」
ちょっと不審だったけど、これを一生懸命描いてる姿が目に浮かんでくる。
なんだか…可愛い。
手書きのチケットを見ていると、自然と顔が緩んでしまう。
***
そして、土曜日。
私はちょっとばかり気合いを入れた格好でロボの家に向かった。
家を出るときにお母さんが、
『あら、二湖。デートでも行くの?』
なんて言われるほど気合いが入っている。
だって…なんだかよく解らないけど、すこし期待してしまう。
だってロボから手紙でのお誘いなんて…もしかしたら最初で最後かもしれない。
手紙の入ったバッグをチラリと見ては笑ってしまう。
端から見たらかなり不審かも。
「…ま、いっか」
恋する乙女は前向きなのだ。って誰かが言ってた気がした。
ロボのアパートの階段をリズム良く駆け上がる。
いつもと違う靴だから、カンカンカンと少し違う音。
「ロボ、居るーっ!!」
バターンと勢いよくドアを開けるのが毎度のパターン。
だけど、今日だけは…
「ふぅ~…」
ドアの前で深呼吸。そして、コンコンとノックして。
「ロボ。…私…ニコだけど」
ちょっとだけ畏まった声で呼びかけた。
すると中からバタンとかドスンとか凄い音がして、
「いっ…今、開けるっ!」
って声と同時にドアが開いた。
そこに立っていたロボはいつもと全く同じ格好で。
だけど何故か顔が緊張していた。
伝染したって言うのも変だけど。
「今日はお招きいただきまして…」
なんて普段なら絶対言わない言葉を並べて、ペコリと頭を下げた。
「どっ…どうもっ」
ロボも一緒に頭を下げた。
ゴチンっ
ロボが余りにも勢いよく下げるもんだから、私の後頭部に見事にヒットした。
「「いったぁぁぁぁっっ」」
2人同時に痛がって、目があって、一気に吹き出した。
…なんだか私たちらしい。
「いたた…。で、今日はなんか特別なの?」
後頭部を押さえつつロボに聞いてみる。ロボもやっぱり同じようにおでこを押さえて、少し涙目で、
「勿論特別だよ~。…ニコ。ちょっと待ってて。車のキー持ってくるから」
バタバタとロボが部屋に戻って、いつもの場所からキーを取ってきた。
「さぁ、行こうか」
ロボが手を差し出した。その手にそっと手を重ね、
「何処へ行くの?」
って聞いてもロボは「行ってからのお楽しみ~♪」って言うだけ。
ロボに手を引かれカンカンカンと階段を降りていく。
そして行き先を全く教えてくれないまま、ロボの『ご招待』が始まった。
*To be continued*
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椎さま
早速のコメントありがとうございます。こんなんで良かったですか!?
ってまだ途中ですが…
後編はトキメキ編とでも名付ける勢いでいきたいのでがんばりマックス
ってまだ途中ですが…

