お題 *voice３ 好き*

ひとつだけアップします～。

*voice３*　 好　き 




「ローボー。起きてる～」

朝から青空の広がる日曜日。
デートに行くから、アピールするためだとかで一海ちゃんに弁当作りを手伝ってと早くに起こされた。
余ったお弁当をロボにあげようと思って来たけど… 
返事がない。

勝手に入ると、窓際に置かれたベッドに掛布団を抱きしめて眠るロボが目に入った。
顔は窓側になってるから見えないけど。多分幸せそうな顔してんだろうなぁ。
「ろ～ぼ～…」
微妙に小さめな声で呼びかけてみるが無反応。
別に約束したわけじゃないけど。
だけどここまで熟睡しなくたっていいのに。
…なんて勝手なことを押し付け出来ちゃうのってロボだけなんだよね。
お弁当が入った紙袋をテーブルに置き、静かにベッドに座った。

ギシッ…

多分小さな音だったんだろうけど、すごく大きく聞こえて驚いた。
思わずロボが起きちゃったのか確認してしまった。別に起きても問題があるわけじゃないけど…
なんとなく。
「…むぅ～…」
突然ロボが唸って寝返りをした。
むにゅむにゅと寝言らしき言葉を言いながら、布団を更に抱きしめた。

あ…初めてかも。
ロボの寝顔、ちゃんと見るのって。

改めて見たロボの顔は意外にもで…。
思わず見とれたりしちゃって。
「う～…にこ～？」
またまたロボがもぞもぞと動き出した。
見とれてた自分が急に恥ずかしくなって、起きたロボになんて言い訳しよう…とか頭の中を巡らしていた。
だけど。

「…ごま…」
また意味不明な言葉を言いながら寝始めた。
「…バカロボ」
言い訳を一生懸命考えてた自分が恥ずかしくて、少し八つ当たり。
ロボのほっぺを軽く摘むと、むぃっと引っ張った。 

「ごめんよ～…」 

ロボは寝てるにも関わらず、悲しい顔で謝りだした。
一体何の夢を見てるんだろう。
摘んでいた手を離すと、ロボは再び笑顔になった。

本当に寝てるのか？
疑問に感じてロボに顔を寄せてみた。すると、 


「…当たり前だよ～。
ニコのこと、好きだよ～…ふへ」 


「んなっ!!?」
大声が出そうになって、慌て自分で自分の口を抑えた。
ロボは相変わらず幸せそうな顔。
だけど、それ以上何を言われるか恥ずかしくて、

「ロボーっ!　起きろー!」

精一杯の大声で起こした。
「わぁぁぁっ!!」
驚いたロボがベッドから落ちそうになった。
そして私に気が付いて、
「あれ…ホンモノのニコもいる～」
と幸せそうな顔で笑った。


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さて、何の夢でしょう？
私的には新婚さんみたいな～♪